インフルエンザウイルス感染症にかからないようにするために

- これからの流行時期に備えて -

昨年(2010年冬から2011年春) の流行を振り返って

日本において昨年は流行のピークが1月下旬に見られました。 11月にA型の流行が始まり感染した年齢層は14歳以下が多数でした。 その後春先まで複数のインフルエンザウイルス感染(A型、B型)が混合する状態がみられました。

かからないようにするための対策

1. 普段の体調管理に気を付けてください。

バランスのとれた食事を摂取し、自分にあった睡眠、休養を充分とってください。

疲労、ストレスを可能な範囲で少なくしてください。

2.  流行時期になりましたら街中に出かける際はマスクを着用し、外出先から帰ってきたら手洗いうがいを行ってください。

3.  インフルエンザワクチン接種

インフルエンザワクチンを接種する目的は罹らないように予防する、罹っても重症化しないようにすることです。 流行前に接種することが大切で、効果が出るまでに2-3週間を要すると報告されています。 2011-2012冬シーズンはA型(H1N1) カリフォルニア、A型 (H3N2) ビクトリア、B型ブリスベンの3種のインフルエンザワクチン株が組み合わされています。 接種回数に関して日本では6カ月以上13歳未満は2回、13歳以上は1回接種が目安ですが、受験を控えている、初回接種であるなど個々人の状況により勘案されます。

 

インフルエンザの症状とは

インフルエンザウイルスは主に咳やくしゃみの飛沫を通じて体内に入り感染します。 1-5日の潜伏期を経て、発熱、悪寒、関節筋肉痛(腰、肩など)、全身倦怠感、頭痛、咳嗽などの症状が出現します。 かぜと区別がつきにくいこともあり、もしこのような症状がみられましたら早目に医療機関を受診して下さい。 特に心臓、肺、腎臓の病気、糖尿病をお持ちの方、御高齢の方は重症化する危険性がありますので注意してください。

御家族がもしかかったら

もし御家族が罹った場合は個室で療養し、マスクを着用して頂いてください。 水分や消化のよい食事を可能な範囲で摂って頂いてください。 また他の御家族と1メートル以内の長時間の接触を避けてください。 家族全員で手洗いを励行し、室内換気を行ってください。 もし呼吸困難、息切れ、けいれん、意識状態の低下、高熱の持続などの症状がありましたら直ちに医療機関を受診してください。

おわりに

今冬のインフルエンザの流行がどのようになっていくかについて正確な予測は難しいですが、かからないための予防、そしてもしかかってしまった時の重症化させないための早急な対応(医療機関受診、家族との連携)が大切であると考えます。 また正確な情報に基づき、地域で感染を拡大させないための取り組みも我々医療機関が果たすべき大切な役割であると考えています。

文責 植村 健 http://www.koseikai-uemura.jp/

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